2025年06月11日
太陽光パネルの火災対策は万全でしょうか?
太陽光発電は、太陽光パネルの配線ショート、製品不良やケーブル不良といった理由から火災につながることが
あるため、事前の対策や保険の確認が大切です。
火災の主な原因は2つ。
1太陽光パネルの製品不良
2ケーブルの不良
1つ目の太陽光パネルの製品不良は、製造時の不良によって太陽光パネルが焼損するケースです。
もちろん各メーカーは厳格な品質管理のもと、製品不良の数も少なく抑える努力をしています。
しかし、製品不良を0にすることは難しいため太陽光パネルの製品不良を原因とする事故が発生することがあるのです。
2つ目のケーブルの不良とは、施工不良によってカーブルが発熱し出火してしまう事故の事です。
施工不良による火災を防ぐには施工業者選びや、定期点検の頻度や内容に注意する必要があります。
太陽光パネルの火災原因は?
製品不良、ケーブルの不良をはじめとして施工に不備がみられる場合、発熱、火災、事故に発展するリスクもあります。
特に太陽光発電所の設置直後にもかかわらず発電量が低下している場合は施工不良の可能性があります。
落雷被害で太陽光パネルが破損
落雷による被害は2種類に分かれています。直撃雷と誘導雷によるものです。
直撃雷は太陽光パネルなど物へ直接雷が落ちる事象を表しています。太陽光パネルを焦がしたり、接続箱を破損させたりします。
一方、誘導雷とは周辺で発生した落雷によって誘導電流が生じ、設備に影響を与えることです。
太陽光パネルが起因となる火災件数
太陽光パネルから発生している火災件数が気になっている人向けに、2008〜2024年の期間で登録された火災件数を紹介します。
まず消費者庁が運営している事故情報データバンクに登録されている太陽光パネルの火災件数は、374件(2024年4月時点)ヒットします。
※「太陽光 火災」と検索
火災が発生したシステムのほとんどは、モジュールやケーブルが起因となる火災であり、建物や発電施設が全焼する事故が起きている状況です。現在調査中の火災事故もあることから、消費者庁でも原因の究明を急がれています。
太陽光パネル火災が起きても放水できない理由【消防庁でも注意喚起】
太陽光パネルから火災が起きても、消防士による放水ができない場合があるとご存じでしょうか。消防庁でも注意喚起されているポイントを含め、放水できない理由を詳しく説明します。
感電の危険性がある
太陽光パネルの火災は、配線のショートや放電など、電気が起因になる場合があります。よって太陽光パネルの消火活動を実施すると、次のような感電リスクがあるのです。
- 放水時の水を伝って感電する
- 火災時も発電し続けるため近づくだけで漏電する
- 電気が建物・施設を伝うことにより近づくだけで感電する
- 急に太陽光パネルが起動して感電する
消防庁が公開する「太陽光発電システムの設置された一般住宅における消防活動上の留意点」では、感電対策として火災箇所から離れて放水すること、感電防止用の装備で放水に当たることなどを挙げています。
ただし、どのような対処をしても感電のリスクがあるため、太陽光パネルなど電気がかかわる設備には、簡単に放水できません。
メガソーラー発電所だと消防車が入り込めない
太陽光パネルの発電施設が小規模であれば、十分な対処を取ることで消火活動を実施できる場合もあります。しかし、メガソーラー発電所など、大規模かつ密集した構造になっている場合には、放水距離が届かず消火・鎮火ができない場合があるようです。
一般的に、消防車の放水距離は25~40m程度だと言われています。対して、メガソーラー発電所が半径40mを超える範囲で密集していると、中央部まで放水が届きません。また消防車が入り込めないため、簡単には放水できないのです。
よって近年では、太陽光パネル火災の問題を回避すべく、消防法によりモジュール等の設置ルールが定められました。発電所・建物ともに、消火しやすい環境を整えなければ、設備を設けられなくなっています。
太陽光パネル火災を防ぐ方法
太陽光パネルを起因とした火災発生頻度を減らしたい、止めたいと考えている人向けに、すぐに実施できる対策を整理しました。
信頼できるメーカーの太陽光パネルを導入する
太陽光パネルのメーカーは国内外に複数存在します。利用するメーカーによって太陽光パネル製品の品質に違いがあるため、必ず信用できるメーカーの製品を導入することが重要です。
たとえば、次のようなポイントをチェックし、任せられる業者を見つけてください。
- 過去に製品を起因とする火災事例が起きていないか
- 世界的に信用されているメーカーか
とくに重要なのが、過去の事例をチェックすることです。過去に火災が起きたメーカーについては利用しないほうが良いと言えます。
また、ベンチャー企業・メーカーは実績が少ないため、判断するのが難しいです。より良いメーカー製品を導入するためにも最初に確認してください。
太陽光パネル火災についてまとめ
太陽光パネル火災は、世界中で起きている問題です。国内でも火災事例が報告されており、山林だけでなく人家にも被害を及ぼしています。
火災の確率は、過去の事例より0.005%と低いものの、いついかなるタイミングで火災が起きるかわかりません。もし太陽光発電所を設置するのなら、設置場所の検討はもちろん、万全な火災対策を講じることが重要です。
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