住宅ローンで頭金なしのフルローンを組むのはなぜお勧めできないのか??
貯金がなくて頭金は用意できないが、住宅を購入したい。そのような方は住宅を購入できないのか?
結論として諦める必要はありませんが頭金なしで購入するにはリスクがあります。
住宅ローンを組む際には、かつては頭金が物件価格の2割以上は必要とされていましたが、今では頭金ゼロでも住宅ローン
が組める、いわゆるフルローンというものが提供されています。
しかしながら、住宅を購入する際には、頭金を用意する方が安心です。リスクを踏まえたうえで、どの程度の頭金を
用意するのかいつ購入するべきなのかを検討しましょう。
1・頭金を用意せずにローンを組むことは可能
そもそも頭金とは物件価格のうち購入時に現金で支払う額の事を言います。かつては購入価格の7~8割までしかローンを組めない時代もあったのですがネット銀行が台頭し既存の銀行とのサービス競争が激しくなった結果、フルローンを組める銀行もできました。
また住宅を購入する際は物件価格だけでなく融資手数料や登記費用、印紙税といった諸費用が掛かります。この諸費用は基本的に自己投資で用意するものとされていましたが最近では諸費用リフォーム費用、さらには引っ越し費用まで物件価格に加えて融資してくれる住宅ローンを提供する金融機関も出てきています。
自己資金なしでも家が購入できるなら、すぐにでも買いたいと思われるかもしれませんが実際には頭金なしでフルローンを組むことはお勧めできません。その理由について詳しく説明します
金融機関によっては住宅ローンをフルで組めますがそれをお勧めできないのは理由があります。
2・住宅ローンの審査に通りにくくなる
頭金なしの場合、住宅ローンの審査は頭金ありの場合と比べて厳しくなります。ローン完済までは家や土地に金融機関の抵当権が設定され融資先に万が一のことがあってローンが払えなくなってしまうと金融機関はその物件を売却します。
そういった場合、物件の売却価格が住宅ローンの残高よりも安くなってしまうリスクが高まるため住宅ろーんの審査に通りにくくなるのです。
利息負担が増え、総返済額が大きくなる
頭金なしで住宅ローンを組むと借りる金額が大きくなるので当然払う利息額も増えます。また金融機関によっては、頭金の割合に応じて金利が異なる場合があります。
基本的に諸費用は自己資金が必要
諸費用とは前でも説明したような内容の費用ですが、その金額は新築住宅の場合は物価価格の3~8%と言われています。その金額を含めて住宅ローンを組むと確かに自己資産は少なくて済むのですが、金融機関側からすると延滞リスクが高まるため、金利が上がる場合があります。従って、諸費用は自己資金として用意しておく方がお勧めです。
そもそも頭金がゼロの状態で毎月返し続けることができるのか
フルローンの返済を返していくとなると毎月の返済額がかなり大きくなります。そもそも頭金がゼロということは
これまでお金を貯められていないということです。返せなくなるリスクを踏まえて想定している月々の返済額が現在の収入に対して適切なのかどうかを吟味しましょう。
フルローンを組まない場合はどうするか
資金援助のお願いをする
自己資産が用意できるめどが立たない場合、両親や祖父母など直系尊属に資金援助を頼むという手段が考えられます。
通常、直系尊属からであっても一定の金額を超える贈与には贈与税がかかります。しかし、住宅の購入、新築、増改築などのために
贈与を受ける場合、一定の限度額までは非課税となる制度があるのです。
地道に貯金から始める
そもそも貯金がない時点での住宅購入がライフスタイルに適していないという可能性もあります。
まずは物件価格の1割など目標を決めて貯金することから始めましょう。
身の丈に合った物件を選ぶには最初にシミュレーションで購入可能な物件価格を把握することが大切です。簡易的に毎月の返済額などが計算できるサービスもあるのでうまく利用していきましょう。
リスクがあるフルローン。少しでも貯金して頭金を準備しよう。
住宅ローンをフルローンで組むと様々なリスクがあることを見てきました。頭金なしでも組めることはできますが、長い返済期間にかかる金利の事などを考えると少しでも用意をしておいた方がいいです。